当プログラムの狙い

  • 原因追及と再発防止対策における実情

 クレームやトラブルを減らしたいという組織も多いと思います。製造工場だけではなく、配送、受注など様々な業務でミスは発生し、それらを減らすことは業務効率の改善に繋がります。
ただ、なかなか減らないとお悩みもあろうかと思います。私が見てきた延べ300~400件の審査でも、原因追及と再発防止に何らかの課題を抱えている組織が多数見られました。
例えば、製造工場で設備不良などは優れた原因追及と設備改善しているのに、その不良が発生した人的要因とか作業や業務プロセス上の原因追及では、表面的な問題しか見てないなどです。
 また、私も若いころロット印字ミスの市場クレームが多発するので、印字後の製品の目視検品をダブルチェックするといった対策を実施したけれど再発した経験があります。再発するからと言って、検品担当者を厳しく管理しても、トリプルチェックをしても、結局同じです。そうこうをしているうちに、特に現場の方は自分たちの努力が無駄であり、無駄な仕事をやらされているという思いが強まって、嫌気がさしてどんどん退職してしまいます。要するに、根本原因にたどり着いていないのに、表面的な対策を実行したことが、間違いであったのです。
 人は誰でもいつも目の前にあることは脳で消去され気が付きにくくなっています。止血し応急処置を施すことと、病気の根本原因を探り根っこを断つことは異なります。応急処置は素早く、根本原因追及は時間をかけてもしっかり根っこを見極めて再発防止対策をすることが肝心です。

では、前述の原因追及にどんな問題があったのか?

  • 「発生原因」と「流出原因」を分けて考えず、流出対策だけで無理やり止めようとしたこと。
  • ヒューマンエラーが発生する原因を追及していないこと。

当プログラムは、このような根本原因追及と再発防止対策について、身に着けていただくのが狙いです。

  • 原因追及手法の活用と展開

原因追及手法が有効に活用できるのは、クレームやトラブルだけではありません。原価改善でも課題が特定された後、その原因特定と改善方法の検討においてはこれらのテクニックが活用できます。事務関連業務の業務改善なども同様です。
 例えば、トヨタ自動車は原価改善など様々なトヨタ方式の改善活動を実施しておられますが、私が思うにトヨタの一番の強みはまさに根本原因の追究力だと思っています。これまでの審査経験において、根本原因の追究において100点満点の組織は少ないようです。もし、多くの組織が根本原因の追究力が高ければ、多くが世界有数の企業になっているかもしれません。

貴社の小集団活動の活性化のためにも是非お役立てください。

事前ステップ:現状課題の確認と予備調査

  • 現状課題のヒアリング
    • 可能な限り経営者から直接お聞きします。
      ケースバイケースですが予算執行決裁者の場合もあり
  • 見積もりは、主に次の要素でご相談の上、算出します
    • 受講対象者の人数
    • 確実な定着を目指すのか、理解度は二の次でもセミナーだけにするのか?
    • 第2ステップの実戦演習回数やサポート方式は?

第1ステップ:原因追及と再発防止対策セミナー

  • セミナーの主な内容と進め方
    • 基本的な原因追及と再発防止対策の手法や進め方を理解していただくためセミナーです。
    • 基本コースは、前半を座学による解説、後半は演習とグループディスカッションを実施します。
    • 原因追及手法は、なぜなぜ分析や特性要因図など紹介します。原因追及で陥りやすい点など事例を挙げて説明します。
    • 個人演習として事前課題の演習及び当日演習を行い、その後で同じテーマでグループデスカッションを実施します。
    • オンラインセミナーでの開催も可能です。ただ理解度に影響する可能性があります。

第2ステップ:組織課題をテーマとした小集団実戦指導

  • 小集団活動の進め方
    • 課題解決能力の習得が目的なので、全ての課題は取り上げません。ただ、実際に抱えている課題の方が身の入り方もリアリティも高いので、実際のテーマで演習します。
    • 小グループ編成で、1グループ1テーマずつ取り組みます。
    • まずは、組織課題を挙げていただきテーマを選定します。
    • 小グループで5~10回程度、1~数か月かけて会合を持ち、原因追及と改善方法を検討いただきます。(皆様の繁忙状況踏まえて開催頻度など要相談)
    • 進捗状況を都度報告していただくと共に、適宜検討会において指導やサポートを行います。

      小グループ全員で議論し、原因追及と改善方法を検討していただきます。検討時のポイントは次のような点です。
  • 改善テーマに対する根本原因の深掘り
    • 直接原因、間接原因(遠因)それぞれのリストアップ(なぜなぜ分析や特性要因図などを使用)
    • クレームの場合は、発生原因と流出原因それぞれ検討
    • 類似の事例や類似トラブルの可能性の調査
    • 遠因にも注目し、上記調査結果も含めた根本原因の深掘りと特定
  • 根本原因に対する改善策(再発防止対策)の検討
    • 直接原因と根本原因への改善策(対策)のリストアップ
    • 改善策に対するコストパフォーマンスの算出・評価
    • 実行する改善策の決定
    • 改善実行計画策定(タイムチャートなど含む)
    • 改善策の実行検証方法検討
    • 改善策の効果検証方法の検討(頻発していたトラブルに対する効果検証、滅多に起きないトラブルへの効果検証)

第3ステップ:改善実行

  • 改善の実施(これらは皆様の活動です)
    • 改善計画に従って実行
  • 進捗状況の監視 (ご要望に応じてコンサルティング)
    • 改善計画の進捗状況の確認
    • それらを踏まえた計画の見直し検討
  • 達成状況のレビュー (ご要望に応じてコンサルティング)
    • 改善計画の達成状況の確認
    • 目的に対する有効性検証
    • 次回または次年度に対する残課題の整理
    • 経営陣に対する報告会