私は、これまで最初に就職した会社では30年弱で食品会社中心に100社以上延べ数百回にわたり製造指導や第二者監査などを行ってきました。その後はISOなどのマネジメントシステム審査員として食品や容器包装などの企業を毎年50社ほど審査してまいりました。
これらの中で強く感じるのは、日本の企業をもっと強くして、発展するベースを作っていきたいという思いです。
必ずしも課題を抱えているのは中小企業だけではありません。大企業もまた、大勢の社員を抱えているが故の課題なども多く見受けられます。
現代社会は変化の速い時代です。今日の正解は、明日も正解とは限りません。
例えば、新型コロナウイルスが発生する前は、このようにパンデミックリスクは意識していたとしても、飲食店を始め大きな影響を受けるとはあまり多くの方は予想していなかったのではないでしょうか。更に、政府も自主的な移動の制限を求め、顧客への訪問も出社もできるだけ控えることが望まれるようになるとまで予想していた方は、私自身含めて更に少ないのではないでしょうか。
このような中でも中小企業でも大企業でも早くからデジタル投資を実施し、移動先からもパソコンにより仕事ができるようにしていた企業は、製造など以外はいち早くリモートワークができる体制を整えて在宅勤務により、企業活動はあまり影響受けずに対応できていました。
あるいは出社人数の制限が求められる中でリモートワークができないとしても、多能工化や具体的で判りやすい手順書などを整備していた企業は、無理なく交代出社体制を整えることができました。
このような企業運営の仕組みの巧拙が、このように変化の激しい世の中ほど、企業活動の結果に影響を与えます。
ISOではマネジメントシステムという言い方をしますが、要するに企業活動を管理し適切に運営していく仕組みのことです。
正直に言えば、売れるか売れないか、成功するかしないかなどは、時の運の影響も大きいので、一概に言えません。
しかし、何か変化の時、トラブルがあった時などは、仕組みの巧拙によって組織の強靭性が大きく響きます。
私は、マネジメントシステム審査員として、延べ300~400回もの審査の中で、直近数年の審査だけでも9割ほどの組織において、その企業の方々が見落としているような仕組み上の弱点を見抜き、マネジメントシステム上の課題として指摘してきました。そして私が担当していた企業様から、例えばクレームの大幅減少などの目に見える効果、あるいは目に見えにくいけれど従業員の意識が変わり、様々な活動が論理的で筋が通る適切な対応ができるようになり、従業員のレベルが上がったなどと言ったお話を伺います。
ただし、第三者認証というのは公正で公平でなければなりません。その企業の弱点を規格要求事項に沿って指摘をし、受審組織が提出する改善活動に対して適否の評価はしますが、私自身が改善にかかわることはしてはいけないという制約があります。
そこで、審査員という立場を離れて、様々な企業への直接的なアドバイスを行えるようにしていきたいという思いで設立しました。
ぜひ、組織を強くするための取り組みを、皆様と一緒にやりましょう。
2022年1月1日
川村コンサルティングオフィス 代表 川村 淳